【書評】『移動する人はうまくいく』|人生を変えたいのに何も変わらない理由
「このままでいいのかな」
そう思いながら、気づけば去年と同じ毎日を繰り返している。
努力もしている。
自己啓発本も読んだ。
でも、人生はなぜか変わらない。
その理由を、かなり乱暴なまでに言い切ってくれるのが
**長倉顕太『移動する人はうまくいく』**です。
結論はシンプル。
人生を変えられないのは、意志が弱いからではない。
「移動していない」からだ。
なぜ人は人生を変えられないのか?
本書では、こう断言されます。
人は
環境 → 感情 → 行動
の順で動いている。
多くの人は、
「やる気を出そう」「意志の力で変わろう」としますが、
それは順番が逆。
環境が同じなら、
感情も行動も、昨日とほぼ同じになります。
だから、
行動を変えたいなら、環境を変えるしかない。
「移動力」とは、環境を変える力
この本でいう「移動」とは、
旅行に行け、海外に住め、という話ではありません。
- 住む場所を変える
- 働く場所を変える
- 会う人を変える
- 通勤ルートを変える
- いつもと違う場所に行く
とにかく、環境をずらすこと。
これを著者は「移動力」と呼びます。
定住がもたらした不幸
本書では、少し過激な視点も提示されます。
- 定住によって
- 領土
- 納税
- 主従関係
が生まれた
- 病気は「とどまること」で蔓延した
- 狩猟時代の人間の方が脳は大きかった
→ サバイバルで常に刺激があったから
定住とは、
支配する側にとって都合がいい状態だと。
正直、賛否は分かれると思います。
でも、「動かないこと=安全」という思い込みが
人生を停滞させているのは事実かもしれません。
人生を変える=キャラクターを変えること
この本で一番刺さった言葉。
人生を変えるというのは、
キャラクターを変えることでしかない。
そして、
キャラクターを変える一番手っ取り早い方法が
移動。
同じ場所、同じ人間関係にいる限り、
周囲から押し付けられた
「あなたはこういう人」という役割から逃げられません。
行動できない人の根本原因
多くの人は、
- 退屈な人生に嫌気がさしている
- でも同時に「安定」も手放したくない
この矛盾を抱えています。
だから、
変わりたいと思いながら、動けない。
本書はここを容赦なく切ります。
引っ越しすらできない者は、人生が変わらない。
耳が痛い。でも、かなり本質。
移動がもたらすリアルなメリット
- 移動は健康にいい
→ 精神的な不調は環境を変えると改善することがある - 移動すると、感覚が研ぎ澄まされる
- 世間体に縛られなくなる
- 時間を有効に使える
→ 移動時間=インプット時間
リモートワークが広がった今、
移動しながら働くことも現実的になりました。
「何をやるか」より「どうありたいか」
本書は、キャリア論にもかなり踏み込みます。
- 会社員は
- 誰と
- どこで
- いつ働くか
を選べない
- 選択肢がない状態が「普通」になっているのは異常
- 会社員でいることが最大のリスク
重要なのは、
何をやるかではなく、
どうありたいか
- どこにいてもいい
- 簡単に移動できる
- 人・場所・時間を選べる
この状態を作ることが、人生の土台になる。
移動体質をつくる30のアクションプラン(抜粋)
特に現実的だと感じたものをピックアップします。
- 通勤経路を変える
- 月1回ホテルに泊まる
- 1泊の海外旅行(弾丸)に行く
- 年4回は国内移動、年4回は海外移動
- 即レス・即イエス・即報告
- 年下の知人をつくる
- 著者に会いに行く
- 毎日同じ時間に同じことをする
ポイントは一貫していて、
目的はどうでもいい。
移動すること自体に価値がある。
やりたいことは、行動の先にしかない
やりたいことがわからない
→ 行動していないだけ
移動すると感情が動く。
感情が動くと行動が生まれる。
行動した先で、初めて「山頂」が見える。
探さなくていい。
淡々と初体験を重ねていれば、
出会いは勝手にやってくる。
40代の僕が思ったこと
正直、
全部を鵜呑みにする必要はありません。
でも、
- 最近、毎日が似たような感じ
- 環境に文句はあるけど、動いていない
- 人生を変えたい気持ちだけはある
こんな人には、
かなり効く一冊だと思います。
最後に
旅行しろ、とは言っていない。
なんでもいいから、移動しろ。
人生を変える最初の一歩は、
やる気でも目標でもなく、
場所を変えることなのかもしれません。

