【書評】「ゆるストイック」意識高い系でも低い系でもないという生き方
ゆるストイック
― ノイズに邪魔されず、1日を積み上げる思考 ―
「意識高い系でもない。意識低い系でもない。
これからの時代は“ゆるストイック”だ。」
そんな言葉がしっくりくる一冊だった。
コロナを経て、努力の過程が見えにくくなり、成果だけが切り取られる時代。
この本は、そんな現代においてどう日常を過ごし、どう自分を積み上げていくかを静かに教えてくれる“現代版の生き方の指南書”だ。
ゆるストイックとは何か
ゆるストイックとは、
- 自分に対してはストイック
- でも、他人に価値観を押し付けない
- マウントを取らず、淡々と自分のペースで続ける
という姿勢のこと。
毎日を黙々と積み上げながら、
周りの助けは素直に受け入れる「ゆるさ」も持つ。
成果を急がず、
燃え尽きず、
「続けることそのもの」を楽しむ。
成果が出たらラッキー。
出ても、やることは変えない。
ただ、今日もコツコツやる。
この距離感が、今の時代にちょうどいい。
現代は「自分で自分を律する」時代
今の社会は、
- 好景気でも不景気でもない
- うまくいく人と、そうでない人が同時に存在する
- 中間層が消え、二極化が進んでいる
そして、誰も叱ってくれない。
だから必要なのは、
他人に管理されなくても、淡々と自己管理できる力。
やる気がない人を誰かが引き上げてくれる時代ではない。
だからこそ「自分は自分、他人は他人」という線引きと、
ひそかに積み上げる力が重要になる。
手放すべき「古い価値観」
この本では、まず“アンインストールすべき考え方”が示される。
努力は必ず報われる?
× 努力は報われる
〇 努力が報われるとは限らない
被害者意識
× 周りのせいにする
〇 自分にできることに集中する
ゼロリスク・ゼロ失敗思考
× 失敗を避ける
〇 失敗のプロになる
すべてをロジカルに考える
× 完璧な合理性を求める
〇 合理性には限界があると知る
大事なのは、
自分でコントロールできないことに焦点を当てないこと。
今できる行動に集中する。
願望と現実を混同しない。
成功を支配するのは「才能」ではなく「運」
この本で特に印象的だったのが、成功の捉え方だ。
成功は個人の力で勝ち取るものではない。
環境が生み出す“現象”の一種。
成功はこの2つの掛け算で決まる。
- 独自性(才能+努力)
- タダ乗り(運・時代・基盤)
独自性だけでもダメ。
運だけでも続かない。
だからこそ、
- 独自性にはストイックに集中する
- それ以外は、世の中の基盤にゆるく乗っかる
このバランス感覚が「ゆるストイック」。
ニッチにこそ、居場所がある
ゆるストイックを実践する近道は、
自分が活躍できるほどニッチな領域に絞ること。
ニッチは、
- 好きなこと
- 得意なこと
- 需要があること
この順番で考える。
需要から考えると、だいたい続かない。
うまくいかないときは、さらにフィールドを「狭める」。
デジタル空間では、
現実世界では成り立たなかったニッチも成立する。
運のいい人の正体
運のいい人とは、
チャンスに遭遇する確率が高い行動をしている人。
共通点は「試行回数が多い」こと。
人生のくじ引きは、
なぜか回数制限がない。
- 好きなことに没頭する人
- 深く考えず動く人
- 戦略的に考え続ける人
タイプは違っても、
共通しているのは「やり続けている」こと。
ゆるストイックを続けるコツ
- 完璧を目指さない(80%ルール)
- 毎日を振り返るメンテナンス
- 複数のコミュニティに属する
- 新しいことを「意志」ではなく「習慣」にする
- とにかく試行回数を増やす
そして何より、
今日が人生最後かもしれない
そのくらいの気持ちで、今日を丁寧に積み上げる。
まとめ:静かに、でも確実に前へ
この本は、
- 焦っている人
- 頑張っているのに報われないと感じている人
- でも、派手に生きたいわけじゃない人
そんな人に刺さる一冊だ。
声高に主張せず、
他人と比べず、
静かに自分を更新していく。
ゆるく、でもストイックに。
今日もまた、1日を積み上げよう。

