書評

【書評】『反応しない練習』|悩みが消えていくブッダの超・合理的な考え方

moptrip0822@gmail.com

「どうしてこんなに悩んでしまうのだろう」
「感情に振り回されて疲れてしまう」

そんな人にこそ読んでほしい一冊が、草薙龍瞬さんの
**『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』**です。

本書の結論はとてもシンプルです。
悩みの正体は「出来事」ではなく「心の反応」そのもの
そして、無駄な反応をしなければ、悩みは増えないという考え方です。


反応しないとは「我慢」ではない

本書でいう「反応しない」とは、感情を押し殺すことではありません。

  • 怒りや不安が出てきても否定しない
  • ただ「今、怒りがある」「不安がある」と理解する
  • 悩みを増やすような反応を最初からしない

これが「反応しない練習」です。

戦っても勝てない現実に、無理に立ち向かう必要はありません。
反応しないことこそが、最大の合理性なのです。


ブッダの教えは、驚くほど合理的

仏教というと精神論に聞こえがちですが、本書で紹介されるブッダの教えは非常に論理的です。

四聖諦(ししょうたい)

  • 生きることには苦しみが伴う
  • 苦しみには原因がある
  • 苦しみは取り除くことができる
  • 苦しみを取り除く方法がある

これは、現代医学の「症状→原因→治療法」と同じ構造です。
まず現実を直視し、原因を理解し、対処する。
感情論ではなく、処方箋のような思考法が示されています。


悩みをなくそうとしない。「理解する」

本書では、悩みを無理に消そうとしません。

  1. 悩みがある
  2. 悩みには理由がある
  3. 悩みには解決策がある

この順番で理解していけば、どんな悩みも必ず整理できると説かれます。
「あるものは、ある」と認めること。
解決への希望は、そこから始まります。


心の状態を「見る」ことがすべての基本

マインドフルネスの実践

心の状態を見るために、本書では次の方法が紹介されています。

  • 言葉で確認する(ラベリング)
     「私は今、緊張している」「不安を感じている」
  • 体の感覚に意識を向ける
     呼吸、手足の感覚、歩くときの足裏の感触など

これらはすべて、今ここに意識を戻すための実践です。


三大煩悩を見分ける

心の中で起きていることは、大きく次の3つに分類できます。

  • 貪欲:求めすぎる心
  • 怒り:不満・不快・期待が裏切られた状態
  • 妄想:実在しない未来や判断にとらわれること

大切なのは、なくすことではなく「気づくこと」。
理解できた瞬間に、反応は弱まります。


判断が、悩みを生む

人は無意識に「いい・悪い」「正しい・間違い」と判断しています。
しかし本書では、判断そのものが妄想であると指摘します。

  • 判断は頭の中にしか存在しない
  • 判断は承認欲を満たす快感を伴う
  • だからこそ、やめられない

「正しいかどうか」よりも、
真実であり、有益かどうかを基準にする。
これがブッダの合理性です。


自分を否定しない生き方

本書で何度も繰り返される大切な言葉があります。

私は私を肯定する

自分を否定する判断には、何の合理性もありません。
苦しみを生むだけで、現実をよくすることはないからです。

自信を持とうとしなくていい。
比較しなくていい。
今できることを、淡々とやる。それだけでいい


正しい判断の基準は「貢献しているかどうか」

本書を通して一貫しているのは、
「正しいか・間違っているか」ではなく、それは役に立っているかという視点です。

人はつい、
自分は正しいか
評価されているか
勝っているか
といった判断にとらわれがちです。

しかしブッダの合理的な考え方では、
判断の基準はそこではありません。

貢献することが基本

人間の根本的な動機は、「承認」ではなく貢献である。
本書では、そのように示されています。

  • 誰かの役に立っているか
  • 目の前の行動は、何かをよくしているか

この基準に立てば、
自分を大きく見せる必要も、他人と比べる必要もなくなります。

満たされなさを感じるときの考え方

もし、今の自分に満たされなさを感じているなら、
それは「自分が足りない」のではなく、
今の考え方が自分に合っていない可能性があります。

「評価されたい」「認められたい」という基準で生きている限り、
心はいつまでも渇いたままです。

そんなときは、こう考えてみる。

わたしには、違う役割があるのだな

競争の中で勝つ役割ではなく、
誰かを支える役割かもしれない。
静かに価値を積み重ねる役割かもしれない。

お役に立てれば、それでよし

ブッダの教えが示すゴールは、とても静かです。

  • 勝たなくていい
  • 目立たなくていい
  • 正しくなくてもいい

お役に立てれば、それでよし。

そう考えられるようになったとき、
人は初めて、判断から自由になり、
納得できる人生を歩み始めるのだと感じました。

人間関係の悩みへの答え

人間関係の悩みは、次の2つに分けて考えます。

  1. 自分の感情の問題
  2. 相手との関わり方の問題

相手を変えようとせず、
反応しないことが最高の勝利だと本書は教えてくれます。

相手の反応は相手のもの。
自分の心は、自分で選ぶ。


人生の目的は「苦しみから自由になること」

ブッダが教えるのは、現実を変える方法ではありません。
現実は続いていきます。

それでも、
自分の中に苦しみを増やさない生き方は選べる

外の世界に答えはなく、
心の使い方を整えることで、人生の納得度は大きく変わります。


まとめ|静かで強い一冊

『反応しない練習』は、
前向きに頑張れと背中を押す本ではありません。

むしろ、
力を抜いて、心をクリアにするための本です。

悩みや不安を抱えやすい人ほど、
人生のどこかで一度は読んでおきたい一冊だと感じました。


書籍・著者紹介

書籍名
『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』

著者
草薙 龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)
僧侶・仏教思想研究家。原始仏教をベースに、現代人にも実践しやすい形で仏教の智慧を伝えている。感情論に寄らない合理的な解説に定評がある。

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MOTEKIN
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40代独身の雑記ブログ。
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